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2024.06.30
賃貸物件にこれから住む方が気になる事として、エアコンの取り付けの際に、ビス穴を開けることです。どうしても、引っ越し時に原状回復の問題が発生します。ビス穴をどう処理するのか、悩む方も多いのではないでしょうか?
など、疑問や不安が尽きないと思います。
この記事では、そんな悩みを抱える方のために、ビス穴の原状回復に関する情報を徹底解説します。
具体的な費用や修復方法などを詳しく解説します。この記事を読むことで、引っ越し時のトラブルを避け、スムーズに原状回復を行うための知識を身につけることができるでしょう。
賃貸物件において、エアコンの取り付けや家具の固定などでビス穴を開けることがあります。このビス穴の原状回復義務について、結論から言うと、通常の使用範囲内であれば借主が負担する必要はありません。
しかし、過度に損傷を与えた場合や、修繕が必要な状態で退去する場合には、借主が修繕費用を負担することが一般的です。
国土交通省は、賃貸物件の退去時における原状回復のガイドラインを定めています。このガイドラインによれば、通常の使用による損耗や経年劣化については借主に原状回復の義務はありません。
具体的には、壁に小さなビス穴が開いている程度であれば、それは通常使用の範囲とみなされ、借主が修繕費用を負担する必要はないとされています。ただし、大きな穴や複数のビス穴が開いている場合には、原状回復の対象となり得ます。
ガイドラインでは、これらのケースについても裁判例や実務に基づいた判断がなされるため、具体的な状況に応じて対応が異なることがあります。
国土交通省のガイドラインによると、原状回復の基本は以下の3点にまとめられます。
つまり、通常の生活で生じる損耗は賃料に含まれ、入居者の故意や過失による損傷以外はオーナーが負担します。
また、原状回復は借りた当初の状態に戻すことではなく、通常の使用による損耗は賃料に含まれるとされています。
契約自由の原則により、合理的な理由があり、双方が合意している場合は特約で入居者負担となる場合もあります。具体的な契約内容については専門家への相談が推奨されます。
参照ページ:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について
東京都では、国土交通省のガイドラインを基に「賃貸住宅紛争防止条例」(東京ルール)を制定しています。
この条例により、不動産会社は賃貸借契約前に重要事項説明を行い、原状回復の原則を文書で説明することが義務付けられています。
また、「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」では、設備の経年変化と借主の負担割合について示されており、減価償却資産の耐用年数を例に説明しています。
例えば、クロスが借主の不注意で破れた場合、修理費用は借主負担ですが、経年変化分は差し引かれます。ただし、借主には善管注意義務があり、故意や過失でエアコンが故障した場合、その修理費用は借主の負担となることがあります。
参照ページ:東京都住宅政策本部
原状回復にかかる修繕費用について、ビス穴の大きさや数によって異なります。以下に修繕費用の目安を示します。
修繕費用の目安は約5,000円です。これらは壁の下地部分まで達することがあり、修繕が必要となることがあります。
目立ちやすく、修繕費用も高くなります。具体的な費用の目安は約30,000円です。
大きな穴や複数の穴がある場合、修繕費用は50,000円以上になることがあります。
賃貸物件を退去する際には、原状回復が必要です。特にエアコンのビス穴に関しては、賃貸契約者が注意すべきポイントです。
この記事では、原状回復とは何か、そして原状回復が必要な穴について詳しく解説します。
原状回復とは、賃貸物件を退去する際に、その物件を入居前の状態に戻すことを指します。これは、国土交通省のガイドラインに基づいて行われ、具体的な内容は賃貸契約によって異なります。
例えば、壁紙の張り替え、家具の搬出、エアコンや照明の撤去などが含まれます。原状回復の基本的な考え方は、物件を次の入居者が快適に使用できる状態に戻すことです。
そのため、入居中に発生した汚れや傷、破損などは修繕が求められます。特に、エアコンのビス穴については、しっかりと対応する必要があります。
エアコンの取り付けに使用したビス穴も、原状回復の対象となるケースがあります。賃貸物件の壁には、通常、クロスの下にボードがあり、エアコンの設置時にビスで穴を開けることが多いです。
このビス穴をそのまま放置すると、次の入居者が同じ位置にエアコンを取り付けることができない可能性があります。
ビス穴だけを埋めるだけでは不十分な場合もあります。特に、ボードに多数の穴が開いてしまうと、ボード自体の交換が必要になることがあります。これにより、原状回復の費用が高額になるケースもあります。
また、エアコンのビス穴だけでなく、その他の穴についても注意が必要です。例えば、釘やネジで開けた穴や、故意に壁を傷つけた場合も、原状回復の対象となります。
これらの穴は、壁の下地部分まで損傷していることが多く、修繕費用が高額になる可能性があります。
具体的には、以下のような場合に原状回復が必要となります。
国土交通省のガイドラインでは、釘やネジであけた穴は原状回復義務に含まれます。これらの穴は、通常の使用範囲を超える損傷とみなされ、修繕が求められます。
故意による損傷の場合、修繕費用は全面的に借主が負担することになります。特に大きな穴の場合、壁内部のボードや壁紙の修繕が必要となり、費用も高額になることがあります。
原状回復の義務は、賃貸契約書に明記されていますので、退去前にしっかりと確認し、必要な修繕を行うことが大切です。
原状回復を怠ると、敷金の返還が減額されるだけでなく、追加の修繕費用を請求されることもあります。
賃貸物件を退去する際は、エアコンのビス穴を含むすべての損傷を適切に修繕し、次の入居者が快適に過ごせる状態に戻しましょう。
賃貸物件でエアコンを取り付けた後、ビス穴が残ってしまうことがあります。これを放置すると、退去時に修繕費が発生する可能性があるため、早めに修復することが重要です。
以下に、簡単かつ効果的な修復方法を紹介します。
小さなビス穴は、紙粘土を使って修復するのが簡単でおすすめです。必要な道具は紙粘土と爪楊枝だけです。
この方法は、小さな穴であれば簡単に補修できます。
少し大きめのビス穴には、綿と壁穴用補修剤(コーキング剤)を使用します。
この方法で、中程度のビス穴もきれいに補修できます。
大きなビス穴にはリペアプレートとパテを使用します。
この方法を使えば、大きなビス穴も目立たなく修復できます。
賃貸物件のエアコンビス穴は、穴の大きさに応じた適切な方法で修復することが大切です。
小さな穴には紙粘土、中程度の穴には綿と補修剤、大きな穴にはリペアプレートとパテを使うことで、簡単に修復が可能です。これにより、退去時の修繕費を節約することができます。
賃貸物件でのエアコン取り付けや取り外しによるビス穴の原状回復について詳しく解説しました。
原状回復には費用がかかること、自分で修復する方法や専門業者に依頼する方法についても触れました。
費用は専門業者に依頼すると数千円から数万円かかる場合があり、自分で修復する場合でも道具や材料の購入が必要です。
また、賃貸契約書や管理会社との事前の協議を行うことで、引っ越し時のトラブルを避けることができます。この記事を通じて、賃貸物件の原状回復に関する知識を深め、スムーズに引っ越しを行うための準備ができるでしょう。
適切な準備と対応で、引っ越し後も安心して新生活を始めることができます。賃貸生活をより快適にするために、この記事を参考にしていただければ幸いです。
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